末次成人さん
クリエイティヴディレクター
グローバルに活躍する日本人クリエーター
「ベトナム人の心に響くクリエイティヴを」
「いろんな国の文化が入り混じった、ベトナムの雑然とした雰囲気に惹かれるんです。街にある絵画や写真、小物ひとつとっても独特のセンスを感じるし、何か新しいものが生まれるのではないかとドキドキします」。
白いシャツをパリっと着こなし、人懐っこい眼差しでベトナムの印象を語る。クリエイティヴディレクターの末次成人さんは、広告制作に携わって約15年。広告企画制作からセールスプロモーションなど、企業コミュニケーション全般を行う「ティーワイエーベトナム」でクリエイティヴ事業を統括。2011年12月の会社設立後、早くも多くの企業の信頼を勝ち取っている。
「クライアントから言われたまま制作するのではなく、クライアントの利益を徹底的に追求することを第一にしています。時にはクライントの依頼内容を一度否定し、現地マーケットにより効果的な提案をすることもあります。そこまで掘り下げるからこそ、信頼いただけるのだと感じています」。
顧客は大手日系だけでなく、ベトナムの企業も多い。
「現地企業からは何か新しいものを提案してほしいという依頼がよくあります。海外から来ていることもあり、期待されているのだと思いますが、何よりそういった新鮮な提案を求めるのは、経済的な発展が背景にあると思います」。
そんな現地での広告制作には、ローカルマーケットへの理解が必要不可欠だと強調する。
「常に意識しているのは『現地の人の心に響くものを作る』こと。日本人担当者の反応が良くても、ターゲットである現地の人に響かなければただの自己満足。ベトナム人スタッフの意見はとても大事だし、市場調査も欠かせません」。
そんな末次さんも海外で広告制作を始めたばかりの頃は、どういうものが受け入れられるのかが分からず随分苦労したという。
「積極的に現地の友人を作り、コミュニティに溶け込むことで現地の呼吸が分かるようになりました。そして、本当に良いものは人種に関係なく受け入れられることも実感しました」。
ベトナム人スタッフにも共通意識を持ってもらうためには、どう工夫しているのだろうか。
「毎週、世界で行われているキャンペーン事例などを発表し合い、それがなぜ成功したのか、あるいは、なぜうまくいかなかったのかを、とことん議論します。頭は常にトップギアに入っていないと、クライアントの急な要望に応えられないので、考える事を習慣付けるようにしているんです。『クリエイティヴエージェンシー』と名乗るからには、考えられないと商売になりませんから」。
今後について尋ねると、「せっかくここにいるのだから楽しいことをしていきたい」、と笑顔に。
「ベトナムの広告・クリエイティヴ業界に貢献できるようなことを現在計画中で、年内には形にして発信していく予定です。ベトナム経済の発展とともに、色々な事に挑戦していきたいですね」。
末次成人 すえつぐなるひと
1977年、神奈川県生まれ。東京の広告制作会社に勤務後、「ティーワイエーシンガポール/T.Y.A. Singapore Pte Ltd」で日系大手企業やグローバル企業の広告制作などを手がける。2011年2月よりベトナムに本格的に移住し、同年12月「ティーワイエーベトナム/T.Y.A. VIETNAM CO., LTD」(www.tya.com.vn)設立。現地法人代表。
撮影/大池直人
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